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ワインの種類・造り方

2016.1.8

ワインの種類・造り方

世界各国で造れるワインは、数えきれないほどのたくさんの種類があり、それぞれが個性を持っています。ワインの種類や造り方の違いを知ることで、ワインの愉しみも大きく増えることでしょう。

そもそもワインとは、葡萄を原料とする醸造酒の総称ですが、基本的な製法の違いによって大きく4つに分けることができます。


スティルワイン(非発泡性ワイン)

スパークリングワイン(発泡性ワイン)

フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)

フレーバードワイン(香味付けワイン)


スティルワイン・赤ワインの造り方

スティルワインの中でも、黒葡萄を原料として、果皮の色素をワインへ抽出したものが赤ワインです。

色素は発酵時に抽出されるため、破砕した葡萄はそのまま発酵させ、後で圧搾するのが特徴です。また、色素とともにタンニンなどの成分が抽出され、独自の渋みが生れます。


赤ワインの造り方

除梗・破砕】葡萄の果梗を取り除いて、果実をつぶす。

主発酵】破砕した果実を樽やステンレスタンクに入れ、アルコール発酵させる。この段階で色素やタンニンが抽出される。

【圧搾】もろみを搾り、ワインと果皮などを分離する。

【後発酵味わいをまろやかにするための発酵で、ワインに含まれるリンゴ酸を乳酸に変える工程。

【熟成】樽やステンレスタンクに入れたワインを半年~2年程度熟成させる。この間、何度か澱引きを行う。

【瓶詰め濾過機をつかい、ワインから濁りのもととなる成分を除去して瓶詰めする。



スティルワイン・白ワインの造り方

白ワインには、果皮の色素が薄い白葡萄が使われるのが一般的です。果皮や種が取り除かれるので、白ワインには色素が抽出されず、タンニンの渋みもほとんどつきません。

発酵を終えた白ワインは、すぐ熟成に入りますが、この工程でワインの中のリンゴ酸を乳酸に変える製法「マロラクティック発酵」が行われます。このマロラクティック発酵を行うと、風味がまろやかになります。

その他、熟成中に生じた澱をワインとともに長時間ねかせる「シュールリー」という製法があり、これを行うと味わいに厚みが増すといわれています。


白ワインの造り方

【除梗・破砕・圧搾】葡萄の果梗を取り除き、果汁だけを搾り、低温で短時間ねかせる。

【発酵】果汁を発酵させる。このとき、糖分を完全に発酵させると辛口に、糖分を残して発酵を止めると甘口になる。

【熟成ワインを樽などに入れ、半年~1年程度熟成させる。必要な場合、マロラクティック発酵やシュールリーを行う。

【瓶詰め濾過機をつかい、ワインから濁りのもととなる成分を除去して瓶詰めする。



スティルワイン・ロゼワインの造り方

赤ワイン、白ワインとも違い、ピンクがかった美しい色合いが魅力のロゼワイン。ロゼワインの製法は以下の3種類があります。


ロゼワインの造り方

セニエ法~赤ワイン同様、黒葡萄を破砕してそのまま発酵させ、果皮から色素を抽出し、ワインが程よいピンクに色づいたら圧搾する。

直接圧搾法~黒葡萄を白ワインと同じ製法で破砕・圧搾し、その果汁を発酵する製法。アメリカではこの製法で造られたロゼワインをブラッシュワインという。

ロゼ・シャンパーニュ~スティルワインの場合、白ワインと赤ワインを混ぜてロゼワインを造ることは、法律で禁止されていますが、ロゼ・シャンパーニュだけは例外的に白ワインに赤ワインを加えてロゼにするのが一般的。シャンパーニュの製法上、セニエ法で造ると色合いを安定させることが難しいため、最近では白を発泡させてから、最後に赤ワインからつくった赤エキスを足しこむ方法が主流となっている。


スパークリングワインの造り方

炭酸ガスが溶け込んだ発泡性のワインであるスパークリングワインは、爽快な口当たりと美しい泡立ちが醸し出す華やかな雰囲気を持っています。

スパークリングワインの代表格といえばやはり、シャンパーニュです。


シャンパーニュの造り方

【除梗・破砕・圧搾葡萄の果梗を取り除いた葡萄を破砕、圧搾し、果汁を搾る。

【一次発酵果汁を発酵させ、ベースのワインを造り、貯蔵する。

【ブレンド自社のシャンパーニュの味と香り生み出す配合でベースのワインをブレンドさせる。

【瓶詰めブレンドしたワインに糖液と酵母を混ぜたものを加え、瓶詰めし栓をする。

【発酵低温でワインを発酵させる。この時に瓶内で生じた炭酸ガスが次第にワインに溶け込む。

【熟成発酵後のワインをそのまま熟成させる。熟成期間は最低15か月、長いものでは10年以上のものがある。

【動瓶瓶を回しながら、少しずつ逆さに傾け、ワインの中の澱を瓶の口部分に集める。

【澱抜き瓶の口部分に澱が集まったら、その部分だけを凍らせ、栓を開けて澱をワインから取り除く。

【捕酒澱抜きで目減りした分だけ、リキュールを加えて味わいを調整する。

【栓打ち・出荷コルクを打ち込み、針金などで封をし、ラベルを貼って出荷する。


その他のスパークリングワインの造り方としては、二次発酵を瓶内ではなく、密閉耐圧タンク内で行う製法の「シャルマ法」、一旦、瓶内二次発酵させた炭酸ガス含有の発泡性ワインを、加圧下のタンクに空け、冷却・濾過してから新しいボトルに詰め替える「トランスファー法」、瓶詰めしたスティルワインに炭酸ガスを注入する「炭酸ガス注入法」があります。



その他の特殊な製法のワイン

フォーティファイドワインは、醸造糧のスティルワインにブランデーを加えたものです。酒精強化を発酵中に行うと果汁の糖分が残って甘口になり、発酵後に行うと辛口になります。(フォーティファイドワインの代表例:シェリー、ポート、マデイラ、マルサラ、バニュルス)

フレーバードワインは、スティルワインに薬草やスパイス、果汁などで風味をつけたものです。食前酒や食後酒として、またカクテルの材料などに使われます。 (フレーバードワインの代表例:ヴェルモット、サングリア)



自然派ワインの造り方

出来る限り、自然な環境を尊重して栽培・醸造される、最近注目度の高い自然派ワインですが、その製法はビオロジック(有機農法)、リュット・レゾネ(環境保全農法)、ビオディナミ(生態力学農法)に大別されます。


ビオロジック~除草剤や殺虫剤、化学肥料などの合成物質は原則使用しない。オーガニックともいう。

リュット・レゾネ~化学物質はできる限り抑えるが、どうしても必要と判断される場合、最低限の量だけ使用するというもの。

ビオディナミ~化学物質は原則禁止で、さらに天体の運行にあわせて農作業を行ったり、天然素材の薬を使って土壌を活性化するなど、自然の力を積極的に使って健全な葡萄を栽培するというもの。

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